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麻疹(はしか)やばいよ。医者の本音。

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麻疹(はしか)蔓延・・・

職業は医師、職場は大阪、普段利用するのは関西空港。そして情報発信をするブログを書いており、内容が飛行機関係。

そんな自分が書かないわけにはいかないです。

リアルな情報があったりするので、具体的な内容には触れれませんのでご理解下さい。

現在「麻疹(はしか)」が流行しています。まじで、やばいです。自分は本当にビビってます。

8/25にに朝日新聞に大きな記事が出ました。

この1週間で、確実に麻疹が広がっています。

まず、海外で麻疹をもらって来た患者が、ジャスティンビーバーのコンサートに行ったようです。そこで大量に感染。あとで書きますが、麻疹は空気感染します。

その患者は、西宮市在住らしく、先日関西空港も利用したと。ほんで関西空港あたりでも大量に感染してる。

今、そんな状況です。

 

麻疹ってどんな病気??

麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性のウイルス感染症です。

麻疹ウイルスへの曝露から、10日ほどの潜伏期ののち、発熱で発症します。発熱期、咳、鼻水、結膜炎症状が強く、38℃以上の発熱が数日(カタル期と言います)続きます。その症状が出現している間は容易に他人に感染します。ただ、この時点では風邪と診断されてしまう症状なのが怖いところです。

感染力のかなり強いウイルスで、空気感染、飛沫感染、接触感染、どれでも感染します。先ほどの記事を読んでください。同じコンサート会場にいただけで感染しています。関西空港で、一瞬すれ違ったくらいでも感染してるんでしょうね。そして、ウイルスに接触すると免疫のない人は100%感染すると言われています。なんだそのウイルス。やばすぎるでしょ。

カタル期は4日ほど続きます。カタル期の後半に、口腔粘膜に直径1mm程度の少し膨らんだ白い白斑と呼ばれるものが見られると言われています。この時点でやっと診断されることも出てくるようです。が、すでに他人に容易に感染する期間は過ぎているのです。

診断がつく時点では、他人にすでに感染している」この病気だいぶやばいですね。

そして、世の中の多くの医師が麻疹を実際に診察したことがありません。つまり、麻疹かもと疑い、診察することは困難なのが現実です。さすがに、これだけ話が大きくなると医師の頭の中に麻疹は常にあります。発熱と咳があり、問診から麻疹を疑えば適切な医療機関に紹介できる体制は広がっています。でも、麻疹なんて出会ったことないです。

一部の感染症内科専門医や、小児科医くらいしか見たことないと思います。

その後の症状は、カタル期の後にいったん下熱しますが、半日ほどで再び39〜40℃の高熱が出現し(二峰性発熱と言います)、発疹が出現しまう。発疹は体幹や顔面から出現し、後に四肢にまで及びます。さすがに、この状況まで来ると医師も麻疹を疑うと思われます。

ただ、「診断がつく時点では、他人にすでに感染している」のです。

麻疹のその後

基本的に発疹は全身に広がった後、数日後、色素沈着を残して回復に向かいます。

ただし、麻疹患者の30%に合併症が発生するとのことで、肺炎や中耳炎を合併することが多いようです。数は多くないですが、1000人に1人ほどの割合でウイルス性脳炎を合併します。発症すると1/6が死亡、1/3に神経系の障害を残すという病気です。また、もっと数は少ないようですが、麻疹ウイルスに感染後10年ほど経過してから知能障害・運動障害が発症し、ゆっくりと進行する予後不良な亜急性硬化性全脳炎というものがあるようです。

麻疹は日本にはもう存在しない

2015年には世界保健機関は、日本を麻疹の「排除状態」にあるとしています。「排除状態」とは、日本に定着しているウイルスによる感染が3年間確認されない場合に認定される状態です。つまり、すべて海外から持ち込まれたウイルスとされています。今回も、海外から来たウイルスなんでしょうね。

麻疹の治療、予防策、対処法は?

①治療

実は基本的に治療方法はありません。ウイルス感染症は、治るのを待つしかないというのが基本です。もちろん、患者さんの症状を緩和させる目的で熱冷ましの薬、せき止めの薬などは使いますが、根本治療は存在しません。

②予防策

有効なのは、ワクチン接種です。予防接種のことです。ワクチンを接種することで、免疫ができます。ただ、免疫は年月とともに落ちてくることがあり、過去にワクチンを接種した人でも感染することはあります。ただ、症状は和らぐことが多いそうです。

自分の周りにたまたまですが、麻疹に詳しい医師がいるんです。今回の騒動でも、リアルに患者と接してるらしく、家に帰って家族にうつっても嫌だからと、家には10日以上帰ってないらしいです。えぐいです。そんな医師と接して、話した自分は大丈夫なんかいな、、、。しかも、今回の麻疹騒動では検査結果でかなり高い免疫のある人でも重症感染を引き起こしている点が気がかりだと言ってるんですよ、、、。おいおい。自分はどうすればいいんだ。

麻疹の予防接種は国策で、全員に打っている世代と、打っていない世代がいます。どうも、現在20歳前後の人たちは打っていない世代もいるようです。

③対処法

まず、発熱、咳、結膜炎等の症状が出た。その上、コンサートに行った人や、関西空港にいった人との接触があった可能性のある人は病院へ行くべきです。正確に言うと、病院にいきなり行くとそこで感染が広がるリスクがありますので、診察に行く前に病院に電話で連絡をするようにお願いします。その上でマスクを着用しておくこともお願いします。

近所のクリニックには行かないで下さい。近所のクリニックに行ってしまい、そこで感染が広がることは非常に大きな問題です。大きな総合病院でしたら、現在は麻疹対策をしっかりしているところが多いと思います。特に大阪南部や千葉では、かなり対策をして、感染の拡大を食い止める努力をしています。

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感染症の恐怖

麻疹だけじゃないです。感染症はロクでもない病気です。先日は、結核が塾の中で蔓延したというニュースもありました。

www.asahi.com

感染症内科専門医って日本にたったの1000人くらいしかいないんですよ。都道府県によっては、県に1人とかしかいないらしいです。そんな人数しかいないので、簡単にレアな感染症がどこの病院でも診断できるわけないんです。

人からもらって、病気になる。麻疹でも、結核でも、HIVでもそうですけど、うつされた患者は怒りが爆発です。自分ならそうです。でも、怒りのぶつけどころもない。本当に感染症ってロクでもない病気です。

感染症内科の医師たちは、今すごくハードな日々を過ごしてると思います。これ以上拡大させない努力をしないがら、自分が麻疹になる恐怖と戦いながら。

まじで怖い

本当、知らないうちに麻疹患者と濃厚接触してたらと思うと怖いです。はっきり言って、医師でも全然避けれません。むしろ、感染のリスクは医師や医療機関で働いてる人は高いです。 今までにも、周りで複数の医師が、院内での感染症等で体調を崩し、退職する姿も見てきました。本当に、怖いです。

これ以上拡大しないことを祈ります。

麻疹にかかった患者さんがはやく治ることを祈ります。

知人の感染症内科医が麻疹にならないことを祈ります。

自分が麻疹にならないことを祈ります。

自分の家族にうつらないことを祈ります。

「麻疹。日本の医療なめんなよ。全員で叩き潰してやるからな。」

#当記事はデリケートな内容なので、コメントは全てクローズにさせていただきます。ご理解よろしくお願いいたします。

追記:9/29

大阪府/報道発表資料/関西空港内の事業所における麻しん(はしか)の集団感染の終息について

大阪府は関西空港での麻疹の完全終息を発表しました。

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