プレミアムエコノミーの魅力を徹底解説。ここがエコノミークラス・ビジネスクラスと違う。ラウンジ・座席・値段を比較します。
飛行機の国際線搭乗クラスには、値段の高い順に
・ファーストクラス
・ビジネスクラス
・エコノミークラス
の3段階あることが一般的には有名です。
実は、大半の国際線の路線には「ビジネスクラス」と「エコノミークラス」の2種類しか用意されていないのが現実です。
LCCだと「エコノミークラス」しかないケースが大半です。
そして、ファーストクラスが用意されているような路線(東京ーニューヨーク・東京ーロンドンのようなビジネス路線かつ長距離路線)には、
「プレミアムエコノミー」
と呼ばれるクラスが用意されていることも多いのです。
この記事では、プレミアムエコノミーの全貌について解説します。
プレミアムエコノミーはエコノミークラスとビジネスクラスの中間
まず、ざっくりしたイメージになりますがプレミアムエコノミーはエコノミークラスとビジネスクラスの中間です。
運賃の高い順に並べると、
・ファーストクラス
・ビジネスクラス
・プレミアムエコノミー
・エコノミークラス
ということです。
この記事では、プレミアムエコノミーの全貌を解説するのですが、その前にエコノミークラスとビジネスクラスの違いについては下記の記事を参照にして知っておいてください。値段やサービスの差を比較しています。
座席の配置表を見てみましょう。
ANAのB787-9と呼ばれる便の座席表の一部です。
前方の1-2-1の横4席のところがビジネスクラス。後方の3-3-3の横9席のところがエコノミークラスです。
その間に2列だけですが、2-3-2の横8席のところがありますよね?そこがプレミアムエコノミークラスです。飛行機に乗ると、ビジネスクラスではないけど、明らかにエコノミークラスよりは広い座席を見かけたことがないですかね?あれがプレミアムエコノミーです。
これはANAのB787-9という機材の座席表ですが、全246座席中、14座席のみプレミアムエコノミーに割当られています。
ちなみに、ANA国内線のプレミアムクラスと名前が似ていて混同しやすいので気を付けて下さいね。プレミアムクラスは国際線で言う、ビジネスクラスに相当です。
プレミアムエコノミーの存在意義
そもそも、なぜこんなクラスが存在しているのかってことを少し。
ビジネスマンが飛行機に乗るときに、会社からビジネスクラスを指定してもらえることはよほどの重役でない限りないと思います。
基本はエコノミークラスになるでしょう。
昔は、ビジネスクラスとエコノミークラスしかなかったため、その時代にプレミアムエコノミーを導入すると、会社の規約上ではプレミアムエコノミーはエコノミークラスの一部と扱われることが多かったんです。
つまり、会社で出張の際に、ビジネスクラスはダメだけど、プレミアムエコノミーなら搭乗できるってことが現実に起こっていたんです。
ここがプレミアムエコノミーの存在意義です。名前にも「エコノミー」ってしっかり入ってます。
現在は、経費の削減等でプレミアムエコノミーはダメって会社も増えてるとは思いますが、まだプレミアムエコノミーなら搭乗できる会社も多いと思います。
現に自分も出張の際にプレミアムエコノミーに乗ったことが3回あります。
なかなかビジネスとして目の付け所が面白いですよね。
サービスの差を徹底比較
まずプレミアムエコノミークラスで受けられる主なサービスを列挙します。
航空会社や機材により若干の差はありますが、イメージを掴んでください。
①チェックインカウンターでの扱い
まず、チェックインする瞬間から違います。エコノミークラスは、チェックインに長蛇の列になって並んでいることが多いですが、プレミアムエコノミーは専用のチェックインカウンターがあり、待ち時間がほとんどありません。まぁ、そこまで大きな差はないケースもあるかもしれませんが、この瞬間から旅行が始まると感じるところです。
ちなみに、あまり知られていないかもしれませんが、ANAの場合にはANAカードのゴールドカードを持っていると、エコノミークラスに搭乗でも、チェックインカウンターはビジネスカウンターを利用することができます。下記のカードも、もちろん対象です。
②搭乗前のビジネスラウンジ
一般的に「ビジネスラウンジ」と呼ばれているものがあります。
国際線って、飛行機に搭乗するまでに1時間とか待ち時間がありますよね。その間、もちろん免税店で買い物を楽しんでもいいんですが、ビジネスクラスの人たちはビジネスラウンジというものが利用できます。
実は、プレミアムエコノミーの搭乗者もビジネスラウンジを利用することができます。
これは嬉しいサービスですね。
ANAの成田空港のビジネスラウンジの写真です。
まず、ラウンジのシート。
ラウンジには無料の食事も沢山置いてます。
成田空港のANAビジネスラウンジには、「ヌードルバー」と言って、注文するとラーメンやうどんをその場で作ってくれるコーナーまであります。
実際に国際線搭乗時にビジネスラウンジを利用した話は下記参照下さい。
(注)2017/4よりエコノミークラス搭乗者も、料金を支払えば羽田・成田のANA LOUNGEが利用できるようになりました。事前予約で4000円です。当日は6000円。
有料ラウンジサービス|Service & Info[国際線]|ANA
なお、下記のプライオリティパスを所有していれば、世界中の空港の様々なビジネスラウンジに入ることも可能です。
③機内のプレミアムエコノミーの座席
プレミアムエコノミーになると、座席がかなり広くなります。
エコノミークラスの座席の前後の間隔(シートピッチ)は80センチのものが大半です。LCCだと70センチだったりします。下のやつですね。
プレミアムエコノミーの座席はというと、シートピッチは97センチまで広がります。
足元にかなり空間が広がります。
そして、大型モニターや、
ユニバーサルコンセントが設置されていたりします。
プレミアムエコノミーなかなか魅力的ですね。
ちなみにビジネスクラスになると、座席は下記のようにフルフラットの状態になったりします。
もちろん、お値段は高いのですが・・・・。
④機内食
機内食はエコノミークラスと共通です。
ただ、昔のエコノミークラスの食事と違って、機内食は格段にレベルアップしています。
10年前なんで、エコノミークラスの機内食は全然おいしいと思えるレベルではありませんでしたが、最近はLCCの差別化等もあるのでしょうか、各社とも機内食にも力を入れており、かなり美味しいものになりました。
そして、プレミアムエコノミーの乗客には、通常の機内食以外に特別オーダーできるものがあります!
・スパークリングワイン
・スープ*
・ミニそば(メキシコ・北米・アジア・オセアニア路線)*
・ミニラーメン(ヨーロッパ路線)*
・ミニうどん(アジア路線)*
・ご搭乗便のビジネスクラスのシャンパン、ワイン、日本酒、梅酒、焼酎(水割り・ロック)、デザート*
ANAでは、上記が追加オーダーできるサービスがついています。嬉しいですね。
⑤荷物の扱い
プレミアムエコノミーとエコノミークラスの預け入れ荷物の重量は同じです。
ANAでは、23キロのものを2ケースです。
ビジネスクラスになると、32キロを2ケースになります。
そして、何より個人的に嬉しいのが、手荷物受け取りの優先サービス。
スーツケースに「PRIORITY」タグをつけられます。このタグが付いてる荷物は、空港で優先的に早く荷物出てきます。
空港の荷物の待ち時間って割と長いんですよね、、、。大阪人の自分は、すぐにイラっとしてしまいます。そんなときに、早く出てくると非常に嬉しいです。
購入費用・値段の差額
プレミアムエコノミーに魅力があるのはわかりました。問題は、値段がいくらなの?って話ですよね。
羽田発ニューヨーク行きの便で値段をANAで比較してみようと思います。
こちらがエコノミークラスと、プレミアムエコノミーの運賃です。ちなみに往復運賃の片道の料金のみ記載です。往復だと、だいたい倍の運賃だと思ってください。
まず、エコノミークラスの運賃と一言で言って運賃の種類は複数あります。一切の日程や便の変更が不可能なチケットから、変更もできるしキャンセルもできるチケットもあり、値段が全然違います。この日の運賃で言うと、上記以外の運賃も確認したところ、エコノミークラスの運賃は76330円〜434070円とかなりの幅があります。
ちなみに、ビジネスクラスの運賃は下記。
ファーストの運賃は下記。
最安値の運賃で比較すると、
エコノミークラス:76330円
プレミアムエコノミー:143930円
ビジネスクラス:251130円
ファーストクラス:543830円
となっています。
クラスが一個上がるごとに運賃はほぼ倍になります。エコノミークラスとビジネスクラスの運賃差は18万円とかなり大きいです。この間のゾーンを埋めるのがプレミアムエコノミーです。
ビジネスクラスは高すぎるけど、ちょっと旅行で贅沢したい!ってときには考慮してもいいかもしれませんね。
特典航空券の必要マイル数の差
では、自腹で購入ではなく、頑張って貯めたマイルを特典航空券として利用すると、どれくらいのマイルが必要なのかってことです。
が、実はプレミアムエコノミーは特典航空券で取れる航空会社と、取れない航空会社があります。
ANAはプレミアムエコノミーの特典航空券の枠というものがありません。
JALはプレミアムエコノミーの特典航空券の枠があります。
プレミアムエコノミーは、元々の座席数が少ないこともあり、特典航空券としては枠が解放されていない航空会社が多いです。
JALの場合の特典航空券の必要マイル数を見てみると、
ハワイ行きに必要なマイルが上記です。
ここで注目してほしいのは、運賃の場合はクラスが1つ上がると値段は倍になっていました。が、マイルの場合は倍になっていません。
エコノミークラスの必要マイルが40000なので、運賃同様に考えると、
・プレミアムエコノミー:80000
・ビジネス:160000
・ファースト:320000
くらいのマイルが必要でも本来全然おかしくないってことです。
ところが、実際はビジネスクラスは80000マイルでオッケーであると。160000の半分ですよ!かなりお得なんですよね。
ここ、非常に重要な点です。
マイルというものは不思議で、実際に1マイルの価値が何円なのかってことは、マイルの使い方によって変わってくるってことです。
基本的には、ビジネスクラス・ファーストクラスでマイルを利用するのが得で、1マイルの価値は5円以上にもなります。
マイルの価値は1マイル=1円ではないってのがポイントで、陸マイラーと呼ばれる人々はクレジットカードもマイルが貯まるクレジットカードを利用しています。還元率1%のクレジットカードでも、1%キャッシュバックと、1%のマイル付与では価値が全然違うからです。1%のマイルが付与されたら、5円くらいの価値にできるかもしれないっところがマイルの魅力です。
マイルの貯めやすさはANAとJALで異なるのですが、ANAマイルなら年間30万マイル、JALマイルなら年間20万マイルくらい貯めることは可能です。
・30万ANAマイルの貯め方
・20万JALマイルの貯め方
プレミアムエコノミーにエコノミークラスの運賃で乗る方法
最後に、エコノミークラスのチケットなのに、プレミアムエコノミーに乗れてしまう方法を紹介しておきます。
航空会社には、上級会員と呼ばれる人々が存在しています。普段からビジネス等で、ANAによく搭乗している人は、ANAからVIP待遇を受けることができます。
この上級会員の人々は、搭乗日当日にプレミアムエコノミーに空席がある場合は、エコノミークラスから座席を無料で変更してもらえるというサービスを受けることができるんです!これは、ちゃんとANAのホームページなんかにも記載されています。
ただし、基本的には上級会員の制度というものは、一年更新です。なので、毎年かなりの便数の飛行機に搭乗し続けないと、上級会員を維持することは困難です。
唯一の例外がこちら。
・ANAの「SFC(スーパーフライヤーズカード)」
・JALの「JGC(JALグローバルクラブ)」
これは、一度取得してしまえば生涯ANA・JALの上級会員を維持することが可能な制度です。そして、プレミアムエコノミーへの座席変更以外にも、ラウンジの利用や、特典航空券が取りやすくなったり、様々なメリットが与えられます。
なので、このステータスを獲得することは非常に魅力的なんです。
SFC(スーパーフライヤーズカード)って、どんなカード?どうすれば取得できるの?って興味ある人は下記参照ください。
プレミアムエコノミーについて、整理してみました。来月、搭乗予定なので、実際に搭乗したらレビューも書きたいなと思っています。
no nameさん
追加させていただきました。コメントありがとうございます。
こんにちは。
最安値の運賃比較なのですがコレ往復運賃での片道分ですよね?
見た人が困惑するような記載はされない方が良いかと思います。