スーパーフライヤーズカード(SFC)を取得すると、特典航空券の取れる座席数はどれくらい増えるのか。2018年版を調査してみた。
スーパーフライヤーズカード。通称「SFC(エスエフシー)」。
ANAのプラチナ会員もしくはダイヤモンド会員のステータスを獲得すると与えられる権利の一つに所有してるANAカードを「SFC」というステータスカードに切り替えることが可能になります。切り替えをするとANAカードに「SUPER FLYERS」の文字が入ります。
SFCは、基本的に一度手に入れることができれば、その後のANAステータスがプラチナやダイヤモンドから陥落しても、SFCは継続することができます。
SFCを所有していると
- 優先チェックイン
- 手荷物検査の優先
- 優先搭乗
- ANAラウンジの利用
- スターアライアンスゴールドメンバーの資格取得
- ANA特典航空券のキャンセル待ちの優先
などの特典があり、これらを一生継続できることに、かなりの価値があるのでSFCを取得するために、ANAに搭乗しまくるSFC修行と呼ばれるものをする人がいるんですね。他人事のように言っていますが、自分も2018年にSFCを取得しています。
さて、個人的にはSFCで一番の魅力を感じていたのは「ANA特典航空券の優先」というものです。
優先と書かれると非常にわかりにくいのですが、一般会員には3席しか特典航空券として開放していない便でもステータス会員なら4席開放するというイメージの特典航空券の座席数が増えることを意味しています。
個人的には、ここにSFCの最大の魅力を感じて、SFCを取得することになりました。
が、ホームページ上では、具体的に「どの路線のどの便が、何席分を特典航空券として開放している」のか明記しているわけではありません。言い方を変えると、こそっと特典航空券の座席数を変更しても利用者にはわかりにくいんです。
ということで、2018/9の時点での特典航空券の取りやすさは、
- 一般会員
- SFC会員
- プラチナ会員
で差があるのか調べてみました。
結果を先に書いておきますが、以前2017年に調べたとき(2017年の情報はこちら参照)は「プラチナ=SFC>一般」だったのですが、2018年に入ってから知らないうちに「プラチナ>SFC>一般」になっています。SFCのステータスは、プラチナからは一歩下げられたという印象があるので、整理しておこうと思います。
国内線およびスターアライアンスの提携航空会社の便では特典航空券の優先なし
まず、知らない人がいると思うので整理しておきますが、
- 国内線
- スターアライアンス提携航空会社の国際線
には、SFCでもプラチナでも特典航空券の優先はありません。
ステータス会員とは言え、上記の中で特典航空券の優先があるのは、ANAの国際線のみってことです。
これ知らない人もいると思うので、十分に注意しておきましょう。SFC修行をする方は、自分が取得しようとしているステータスには、何が特典として付与されていて、何が付与されていないのかは非常に重要ですからね。
SFCで特典航空券の優先があるのは、ANAの国際線のみです。
ANA国内線はSFCやプラチナ会員だから枠が多いということもありませんし、スターアライアンスのユナイテッド航空・ルフトハンザドイツ航空・シンガポール航空・タイ航空・アシアナ航空などの特典航空券の座席数も優先はありませんからね。これらは一般会員と全く同じです。
(注)ANAの最上級ステータス「ダイヤモンド」会員には、国内線特典航空券のキャンセル待ちという制度があります。国内線特典航空券に関しては、ダイヤモンド会員以外はキャンセル待ちという制度が存在しません。
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ANA国際線特典航空券の優先は「プラチナ>SFC」
では、ANA国際線特典航空券に関して、
- プラチナ会員
- SFC会員
- 一般会員
で比較してみたいと思います。
ただし、結果がはっきりと全路線で「プラチナ>SFC>一般」のようになって、ステータス毎に枠数がはっきりとわかれば整理しやすいのですが、路線・便により解放枠数は異なる上に、空席数も「プラチナ>SFC>一般」のような路線もあれば、「プラチナ=SFC=一般」のような路線もあったので、簡潔に整理することは不可能なんですよね・・・。
何個かケースを例に見ておきましょう。
①-1.プラチナ会員:成田ーロサンゼルスのビジネスクラスは5枠
国内線特典航空券の予約は、355日前からなので、355日後の2019/9/7で検索します。
実は、成田ーロサンゼルスの特典航空券ビジネスクラスの枠はけっこう多いです。なんと、特典航空券ビジネスクラスがプラチナ会員なら、5席確保できるんです。これ、実はすごいですよね。基本的に、ヨーロッパ路線より北米路線の方が特典航空券の枠が広い印象があります。
残念ながら、復路はすでにだれかが予約を入れているようで、5席では空席待ちになりますが、往路に5席の空席があることがわかります。
①-2.SFC会員:成田ーロサンゼルスのビジネスクラス枠は5枠
今度はSFC会員で調べてみました。画面左上の文字が小さいですが、「SUPER FLYERS」になっています。ちなみに、自分の妻のアカウントです。自分がSFCを取得すると、家族カードもSFCに切り替えになり、家族もSFCメンバーになることが可能なんです。
(注)SFC本会員とSFC家族会員に特典航空券に関して差があるのか調べてみましたが、そちらは差はなさそうでした。
この結果を見ると
「プラチナ=SFC」
になっていることがわかります。やはり、SFCはANAのステータス会員の扱いを受けていることがよくわかりますね。
①-3.一般会員:成田ーロサンゼルスのビジネスクラス枠は3枠
次は一般会員で調べました。左上が「ANA MILEAGE CLUB」になっていますよね。うちの息子のアカウントです。これで調べると、4席では空席待ちになります。3席なら確保可能でした。
つまり、
- プラチナ会員5枠
- SFC会員5枠
- 一般会員3枠
となっており、
という結果がこの路線では出ます。これは、割と以前からマイラーの中で言われている話題です。SFCになると、どうもプラチナ同等のANA国際線特典航空券の枠があると。
ただし、状況が最近徐々に変わっているというのがここからの内容になります。
②-1.プラチナ会員:羽田ーロンドンのビジネスクラス枠数は3
まずは、プラチナ会員。自分は、2018年度末まで、プラチナ会員です。その後は、平のSFCになることがほぼ決定です。
羽田ーロンドンを見ておくと、ビジネスクラス枠で3席でも空席があります。が、また復路は空席待ちですね・・・。355日前なのに・・・。
やはり人気路線の特典航空券を狙う人は、355日前に発券しておくのも非常に重要ってことですね。
②-2:SFC会員:羽田ーロンドンのビジネスクラス枠数は2
ここは割と衝撃を受ける人もいるかもしれません。プラチナで取れる席は3だったのですが、SFCで調べると3は空席待ちなんですよ・・・・。2席なら確保できます。
2017年ごろまでは、プラチナをSFCは同等と言われてきましたが、徐々に路線によっては「プラチナ>SFC」という差が出てきているのがわかると思います。これを「SFCの改悪だ!!」って意見もあるかもしれませんが、元々特典航空券の枠数は公表されていないので、SFCの改悪なのか、それともプラチナの改善なのかはわかりません。
が、「プラチナ>SFC」というのが事実としてあることがわかりました。
ある意味当然なんですけどね。SFCは一度取得すれば、基本的に年会費さえ払えば継続できますが、プラチナは毎年搭乗しないと継続できませんからね。自分も来年から、平SFCなのですが、自分よりプラチナ会員優遇されるのは当然だと思いますし。まあ、残念ではありますが・・・・。
②-3.一般会員:羽田ーロンドンのビジネスクラス枠数は2
この路線に関しては一般会員もSFCと同等の2席の枠があります。「SFC=一般」なんですよ・・・。この路線の便に関しては・・・。
2つの路線に関して、整理してみましたが、他の路線も色々調べてみたりもしました。
例えば、
- エコノミークラス特典航空券にも差があるのか・・・あります
- プラチナ=SFC=一般のようにステータス会員の優先がない路線・便もあるのか・・・あります
- ファーストクラス特典航空券にも差があるのか・・・ない気がします(色々調査したところファーストクラス特典航空券に関しては一般でもダイヤモンド会員でも2席のようですが、自分はダイヤモンド会員ではないので、徹底調査は難しいです・・・)
こんなこともわかりました。
現状では、ANA国際線特典航空券の枠は、
ということは間違いありません。2017年までとの大きな違いは、SFCはプラチナと完全に同じではなくなりつつあるという点です。
全路線の枠数を整理して、表にするということをやってみたいのですが、人海戦術はかなりキツイものがありますし、特典航空券の枠数をANAが公表していない以上、変更は自由なので、すぐに変更になる可能性もあるので、意味があるようなないようなものになってしまうんですよね・・・。まず、2018年の隠れたビックニュースが、プラチナとSFCの間に差が出来てきているという点です。
まとめ「ANA特典航空券の枠数はステータスに関係あり」
やはり、事実としてANAステータス会員は一般会員に比べて特典航空券の取れる座席数が多いです。SFCは、やはり特典航空券の枠数は一般会員より多いですし、特典航空券の枠以外にもANAラウンジの利用やスターアライアンスゴールドメンバーの資格も付与されるので、やはり効果は絶大です。
それでも、家族4人分のビジネスクラス特典航空券を発券するというのは至難の業です。これはSFCに限らず、プラチナでもなかなか難しいことでしょう。羽田ーロンドンでは枠がプラチナでも3枠ですし。
マイルは貯めること以上に、使うことの方が難しい
と、自分がマイルを貯め始めた10年以上前から言われています。是非、複雑な使い方も楽しんで、特典航空券が取れる、取れないなんてことも一喜一憂しながら楽しんでください。
とはいうものの、自分は4名分の席の確保もしているので、不可能ではないと思います。
①スターアライアンスの他社経由便の利用も検討する
羽田ーフランクフルトのような直行便を狙わずに、ソウル経由のアシアナ航空、北京・上海経由のエアチャイナなんかは候補に入れると、4席のビジネスが見つかることもあります。
②人数を減らして検索する
4人で見つからないときは、まず3人で検索、2名で検索のようなことをしておきましょう。そして、2名で空席があれば、まず2名分確保しておくのも1つの手です。残りの2名は、空席待ちを入れおくと、ANAが販売している有償航空券の残数が多い場合には、途中で特典の枠を追加することがあるので、そのタイミングで2席落ちてくることもあります。それも無理なら2名分は有償航空券の購入(マイルをANAスカイコインに交換して利用も含む)なんかの検討もいるでしょう。
自分なら、2名分が確保できる状況、無理に4名全員での空席待ちは避けます。4名の空席待ちを入れたときに、2名の空席が出た場合は、その2名分は自分のところに回ってくるのか、それとも2名待ちの人が優先されるのか知っていますか?これは、無条件で2名待ちに回されるんですよ。なので、4名分の席が同時に用意されたときにしか、4名の空席待ちには回ってこないんです。
なので、2名の特典航空券を確保。残りは1名、1名で空席待ち。こんな感じが一番強いです。
③ビジネス・エコノミーを2名2名で検索
ビジネスで4名が無理でも、2名がビジネス・2名がエコノミーなら可能という状況もよくあります。我が家は、ここは妥協して受け入れています。これを妥協するだけでマイルを使う幅が一気に広がりますしね。ただし、嫁と揉めないように、ビジネスクラスには往路と復路で分けて、どちらも1便ずつ搭乗するようにしています笑。
特に、関空ーソウル―ロンドンのような経路に搭乗する際は、関空ーソウルの1時間の搭乗なら、家族がエコノミー・ビジネスの別々でも全然OKですしね。そのあとの長距離区間が4席取れるような状況なら、喜んで妥協します。
こんなことを考えながら、特典航空券を探しています。それでも無理なら、もちろん有償航空券を購入してマイルはまた次回に利用するか、もしくはマイルを使うことを優先して場所の変更を検討するかなんてことも必要になるでしょうね。
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