ANAマイルでは国際線は往復発券しかできない。片道のみの特典航空券が発券できるスターアライアンスのマイレージプログラムを紹介。SPGアメックスはやはり強い。
ANAマイルをメインで貯めている方は、国際線の特典航空券はANA便でも、スターアライアンス提携航空会社の便でも往復発券しかできませんよね(ANA国内線は片道発券可能)。
片道発券したい!!!
と思うことはよくあると思います。
- ヨーロッパ内で移動をしたい
- 片道はLCCで購入する
- 片道分はJALマイルやBAのAviosで取れる
- 安い海外発券(クアラルンプール→日本→クアラルンプール etc)ができるので、クアラルンプールまでの航空券が欲しい
などなど、さまざまな理由で片道航空券が必要になることがあります。が、ANAマイルでの国際線特典航空券では、それが不可能になっています。
なので、スターアライアンス系で片道特典航空券を発券するには、片道発券が可能なマイレージプログラムを利用する必要があります。
そんなマイレージプログラムを4つ紹介したいと思います。他にもあるとは思うのですが、日本でも人気があり利用のしやすいものを4つ紹介します。
ユナイテッド航空マイレージ「マイレージプラス」
まずは、日本でも結構人気のあるマイレージプログラムであるユナイテッド航空の「マイレージプラス」です。
ユナイテッド航空マイレージプログラム「マイレージプラス」基本事項の一覧表です。
航空会社 | ユナイテッド航空 |
マイレージプログラム | マイレージプラス |
公式サイト | こちら |
マイル有効期限 | 実質無期限(18か月だが、減算か加算があると延長) |
特典航空券利用者 | 誰でもOK |
バイマイル制度 | あり |
ポイントサイトからの移行 | 可(すぐたま&NetMileから交換レート33%) |
SPGアメックスからのポイント移行 | 可 |
SPGアメックスから移行キャンペーン | あり |
その他クレジットカード | マイレージプラスカード(UC、JCB、MUFG、ダイナースあり) |
日本→東南アジア必要マイル数 | エコノミー20,000、ビジネス45,000 |
日本→北米必要マイル数 | エコノミー35,000、ビジネス70,000、ファースト95,000 |
日本→欧州必要マイル数 | エコノミー45,000、ビジネス75,000、ファースト115,000 |
日本語サイト・コールセンター | あり |
ユナイテッド航空のマイレージプラスは、スターアライアンスの片道特典航空券を発券できるマイレージプログラムの代表格で、日本でもけっこう人気があります。
ただし、必要マイル数は、基本的にはANAマイルで発券するときより多くなります。
ANAマイル | ユナイテッド航空マイレージプラス | |
日本=東南アジア往復エコノミー | 35,000 | 40,000 |
日本=東南アジア往復ビジネス | 60,000 | 90,000 |
日本=北米往復エコノミー | 50,000 | 70,000 |
日本=北米往復ビジネス | 85,000 | 140,000 |
日本=北米往復ファースト | 150,000 | 190,000 |
日本=欧州往復エコノミー | 55,000 | 90,000 |
日本=欧州往復ビジネス | 90,000 | 150,000 |
日本=欧州往復ファースト | 165,000 | 230,000 |
上記は国際線の中長距離の特典航空券の必要マイル数を往復で比較したものです(ユナイテッド航空マイレージプラスは半分のマイル数で片道発券可能)。なんと、全路線でANAマイルの方が必要マイル数は少ないんですよね。元々、ANAマイルしか貯めていない人は、実はANAマイルは世界中の航空会社のマイレージプログラムの中でも、必要マイル数の少なさで言うと、相当上位に来ると思います。なので、メインをANAマイルに集中して貯めることは非常にオススメです。
ただし、ANAマイルにも弱点があり、それが片道発券ができないという点です。それを補う面でユナイテッド航空のマイレージプラスは価値があると言えます。
マイレージプラスの片道発券の魅力・メリットを紹介すると、
上記は、羽田→ロサンゼルスの片道特典航空券のエコノミークラスを検索した結果です。必要マイル数は、片道で35,000マイルですが、諸税およびサーチャージが10,880円と激安なんですよね。ユナイテッド航空は、必要マイルが多いのですが、サーチャージが基本的に無料です。必要なのは、空港諸税等のみです。
なので、実はマイル数が多くてもそれほど損ではない可能性もあります。特にサーチャージが高い時期には強みが増します。
そして、上記の羽田→ロサンゼルスの経路が面白いことに注目してください。羽田→フランクフルト→ロサンゼルスになっていますよね??なんと、北米に行く際にヨーロッパ経由の便がヒットしたりするんです。フランクフルトでは、単なる乗継扱いなので、ストップオーバー(24時間以上の滞在)はできないですが、それでも15時間ほどヨーロッパ滞在も可能なので、旅好きには魅力的な面もあります。ルフトハンザドイツ航空のB747-8とA380の2階建て飛行機を2機乗り継ぎするのもマニアには非常に嬉しい点かもしれません。
ユナイテッド航空マイレージプラスの特色として、
- 片道特典航空券が発券可能
- サーチャージが無料
- 単純な直行便ではなく、複数の便を乗継するような経路も多数ヒットする
という3点は知っておきましょう。
ユナイテッド航空のマイルの貯め方は、
- フライトで貯める(ANAなどにフライトしたマイルをANAマイルではなく、ユナイテッド航空につける)
- バイマイルをする
- クレジットカードで貯める(SPGアメックス、マイレージプラスカードから移行可能)
- ポイントサイトから移行
が代表的なところです。
まず、マイレージプラスはバイマイルが可能なマイルとして有名です。年に何度かセールを行うタイミングでの購入がオススメで、セール時には25%~50%オフでの購入も可能で、1マイル=2セントくらいで購入が可能になります。
クレジットカードは、実はSPGアメックスからの移行先として、かなり魅力的です。SPGアメックスのマリオットボンヴォイポイントは、3,000ポイント=1,000マイル、60,000ポイント=25,000マイルで航空会社に移行可能ですが、ユナイテッド航空だけは更に10%加算だと知っていましたか??60,000ポイント=27,500マイルになるんです。さらに、年に1回程度、マリオットボンヴォイポイントからユナイテッド航空への移行で30%ボーナス加算などのキャンペーンが行われ、そのチャンスを待てば、60,000ポイント=35,750マイルというとんでもないことになる可能性を秘めています。そう考えると、ANAマイルと必要マイル数が大差なくなる可能性も出てくるんです。
ポイントサイトからは、すぐたま&NetMileから移行もできますが、交換レート33%なので、オススメはできません。
以上、ユナイテッド航空のマイレージプラスの紹介でした。
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シンガポール航空マイレージ「クリスフライヤー」
次に紹介するのは、シンガポール航空の「クリスフライヤー」です。
シンガポール航空マイレージプログラム「クリスフライヤー」基本事項の一覧表です。
航空会社 | シンガポール航空 |
マイレージプログラム | クリスフライヤー |
公式サイト | こちら |
マイル有効期限 | 36か月 |
特典航空券利用者 | 登録した5人まで |
バイマイル制度 | なし |
ポイントサイトからの移行 | 可(交換レート60%で可能) |
SPGアメックスからのポイント移行 | 可 |
SPGアメックスから移行キャンペーン | なし |
その他クレジットカード | アメリカン・エキスプレス・カード、スカイトラベラー、クリスフライヤーVISAカード、など |
日本→東南アジア必要マイル数 | エコノミー25,000、ビジネス47,000、ファーストクラス70,000 |
日本→北米必要マイル数 | エコノミー54,000、ビジネス92,000、ファースト107,000 |
日本→欧州必要マイル数 | エコノミー46,000、ビジネス111,000、ファースト153,000 |
日本語サイト・コールセンター | あり |
このクリスフライヤーも、片道発券が可能です。
ただし、必要マイル数は、基本的にはユナイテッド航空マイレージプラスより多くなってしまうので、片道発券で利用するのは勿体ない感じもします。
ただし、クリスフライヤーには、いい点もあります。1つ目は、シンガポール航空のビジネスクラス・ファーストクラス・スイートクラスは基本的には、クリスフライヤーマイルを利用しないと予約できません。ANAマイルや、ユナイテッド航空のマイルで検索しても検索結果にビジネスクラスなどは表示されないようになっています。なので、シンガポール航空の上級クラスを狙いたい人には、非常に重要になります。
そして、成田=シンガポール路線に、シンガポール航空のフラッグシップであるA380の定期便の導入が決定しており、2019/8以降には、ついに日本にも新型A380が導入される予定になっています。
こちらが導入される新型A380の最上級クラス「スイートクラス」です。ホテルの中にいるような超豪華な空間が用意されています。
また、実はマイルは、陸マイラーとしても貯まりやすいです。
というのも、クリスフライヤーは、
- アメリカン・エキスプレス・カードから移行できる
- ポイントサイトから交換レート60%で移行できる
というのが特色があるからです。
アメリカン・エキスプレス・カードは、入会ポイントが相当もらえることで有名です。一撃で、5万マイル以上の獲得も可能な入会キャンペーンも行われているので、そのポイントをクリスフライヤーに移行するのもいい使い方だと思います。
上記のキャンペーンが開催中です。通常のアメックスとアメックスゴールドは初年度年会費無料。ビジネスゴールドなら、そこに大量ポイントも追加です。アメックスプラチナは、初年度から年会費が13万円(+税)ですが、ポイントは大量にもらえる入会キャンペーンです。
そして、クリスフライヤーは、陸マイラー必須のポイントサイトからの移行も可能です。
上記記事のように、ポイントサイトからシンガポール航空のマイルに交換レート60%で移行することが可能です。ANAマイルなら81%、JALマイルなら50%~80%で移行できるので、60%は少し損かもしれませんが、めちゃくちゃ低い交換レートでもないですし、シンガポール航空のビジネスホテルやスイートクラスを狙うには非常にいい方法だと思います。
日本でも非常に貯めやすいのが魅力です。
実は、自分もアメックスのプラチナカードに入会した際のポイントをすべてシンガポール航空に移行し、予約をしました。
A380のスイートクラスです!ただし、まだシートマップは旧型のA380の予定になっています。人生に1度しか乗る機会もないでしょうし、新型を狙うので、新型が導入されなければ泣く泣くキャンセルしますが、非常に楽しみです。
エアカナダマイレージ「Aeroplan」
次に紹介するのは、エアカナダのマイレージプログラムです。以前は、日本でも人気のあったマイレージプログラムですが、改悪があり人気はかなりなくなったと思います・・・。
エアカナダのマイレージプログラム「Aeroplan」基本事項の一覧表です。
航空会社 | エアカナダ |
マイレージプログラム | Aeroplan |
公式サイト | こちら |
マイル有効期限 | 36か月 |
特典航空券利用者 | 誰でも |
バイマイル制度 | なし |
ポイントサイトからの移行 | なし |
SPGアメックスからのポイント移行 | 可 |
SPGアメックスから移行キャンペーン | あり |
その他クレジットカード | なし |
日本→東南アジア必要マイル数 | エコノミー20,000、ビジネス40,000 |
日本→北米必要マイル数 | エコノミー37,500、ビジネス75,000、ファースト105,000 |
日本→欧州必要マイル数 | エコノミー40,000、ビジネス75,000、ファースト105,000 |
日本語サイト・コールセンター | なし |
必要マイル数も多いので、ちょっと使う機会は少ないかもしれませんが、SPGアメックスのマリオットボンヴォイポイントから移行で、30%増量キャンペーンも行われるので、それを狙うのはありかもしれません。
実は、Aeroplanは、エアカナダが運営しているわけではなく、別の会社が運営してエアカナダにマイレージプログラムを提供している状況です。どうも来年あたりに、このAeroplanをエアカナダが完全に自社のものとして、新マイレージプログラムを作る予定らしいです。その内容次第では、再度注目されることがあるかもしれないと、個人的には少し楽しみです。
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エーゲ航空マイレージ「Miles + Bonus」
最後に紹介するのは、非常にマニアックな航空会社のマイレージプログラムです。スターアライアンスに所属している「エーゲ航空」ってご存知ですかね??知らないですよね笑。
エーゲ航空は、ギリシャの航空会社なのですが、実はエーゲ航空のマイレージプログラム「Miles + Bonus」は超魅力的です。何が、魅力的なのかというと、ANAマイル以上に少ないマイルで特典航空券が発券可能な区間があり、片道発券も可能という点です。
エーゲ航空マイレージプログラム「Miles + Bonus」基本事項の一覧表です。
航空会社 | エーゲ航空 |
マイレージプログラム | Miles + Bonus |
公式サイト | こちら |
マイル有効期限 | なし?(不明) |
特典航空券利用者 | 誰でも |
バイマイル制度 | あり |
ポイントサイトからの移行 | なし |
SPGアメックスからのポイント移行 | 可 |
SPGアメックスから移行キャンペーン | なし |
その他クレジットカード | なし |
日本→東南アジア必要マイル数 | エコノミー12,500、ビジネス25,000 |
日本→北米必要マイル数 | エコノミー50,000、ビジネス75,000、ファースト100,000 |
日本→欧州必要マイル数 | エコノミー40,000、ビジネス55,000、ファースト75,000 |
日本語サイト・コールセンター | なし |
この表を見て、めちゃくちゃお得な点に気づきませんか??半端ないところありますよね??
日本=東南アジアの特典航空券が片道発券可能な上に、エコノミークラスが12,500マイル、ビジネスクラスでもたったの25,000マイルというのが、超魅力的です。
東南アジア方面への、スターアライアンス特典航空券を検討している人は、エーゲ航空の「Miles + Bonus」は無視できない存在です。
なんで、こんなに必要マイル数が少ないのかというと、
上記の必要マイルチャート(往復分のマイルになっているので、片道は半額)を見ると、日本はFAR EASTに所属するのですが、このFAR EASTには、
なんと、日本も中国も東南アジアも、まとめて同じゾーン扱いんですよ笑。まじで雑すぎます笑。つまり、日本の国内線特典航空券でも12,500マイル、日本からシンガポールでも12,500マイルという非常に不思議な現象が発生しているんです。
知っていても損しません。エーゲ航空のマイレージプログラム。
さて、エーゲ航空のマイルの貯め方は、
- フライトで貯める(ANAなどにフライトしたマイルをANAマイルではなく、エーゲ航空につける)
- バイマイルをする
- クレジットカードで貯める(SPGアメックスから移行可能)
が代表的なところです。
バイマイルも可能なのも魅力で、セール時には40%~100%のボーナスマイルが加算され、1マイル=1.6円~購入可能なチャンスもあったりします。
また、こちらもSPGアメックスからのポイント移行が可能です。移行時に増量のようなキャンペーンは見たことがありませんが、東南アジアへの特典航空券を狙う人は移行を検討してもいいと思います。
(注)エーゲ航空の特典航空券の空席状況は、必要マイル数を保有していないと検索できません。ここ要注意です。
スターアライアンス片道特典航空券を発券できるマイレージもオススメ
ちょっとマニアックな面もあるかもしれませんが、4つのマイレージプログラムを紹介しました。それぞれいい面があったりします。特にANAマイルでは無理な、片道特典航空券が発券できる点は魅力を感じる人もいるでしょう。今後は、ANAに搭乗した際のマイルを、こういった航空会社につけて、ANAマイル以外を貯めてみるのもいいと思います。
また、SPGアメックスを所有している人は、SPGアメックスで貯まるマリオットボンヴォイポイントは、この4社どれにでも移行可能です。SPGアメックスの最大の強みは、この使い方が非常に豊富なマリオットボンヴォイポイントです。40以上の航空会社に移行可能なので、自分もまだまだ勉強しないといけない面が多いのですが、SPGアメックスを所有している方、発行を検討している方は是非とも、この記事のような内容のことは知っておきましょう。こういったポイントの使い方ができるのが、SPGアメックスの本当に魅力だと思いますから。
- 片道発券できる航空会社に移行する
- ポイント移行で30%増量のキャンペーンが利用できる
- ユナイテッド航空に移行して特殊な乗り継ぎを楽しむ
- エーゲ航空に移行して東南アジアへの特典航空券12,500マイルを狙う
こんなことがすべてできるクレジットカード他には存在しませんからね。
そして、こちらも東京→大阪を検索すると、福岡で一泊するような経路もヒットしたりします。これで5,000マイルなので、お得度は高いです。